ポリオレフィン用接着剤
ポリオレフィン及びポリオレフィン系ポリマーアロイの接着
ポリエチレン、ポリプロピレン、T.P.O, E.P.D.M等のポリオレフィン類は、ほとんど全て、弊社のオレフィン用接着剤で、強固に接着することができます。
二つのやり方があります。
二つのやり方があります。
- ホットメルト接着剤であるスキップ#66かスキップ#55を使って直接接着する方法と
- 表面処理剤であるSKIP#606かSKIP#707を使って、先ずポリオレフィンを表面処理しておき、その後一般接着剤を使って接着する方法です。
ホットメルト接着剤というのは、加熱すると溶融し、冷えると固まる接着剤のことです。
加熱によって接着剤を溶融させ、そこに被着体を押し付けます。常温に冷えれば固着します。
これは、物によっては大変能率が良い接着技法ですが、この方法で大型品や複雑な構造の接着を行うことは、一般的に無理です。それと、材料の性格上、耐熱性と耐溶剤性に難点があります。(#66や#77は耐寒性もあまり良くありません。やや脆くなります。)
表面処理タイプはそういう難点を克服出来ます。
#606や#707は、塗布後、瞬間的に高温(120℃以上、出来ればもっと高温が良い)に加熱すれば、直ちにオレフィン表面に固着しますので、そこに、作業に適した汎用接着剤を塗布して、普通の被着体と同じように接着します。
但し、αシアノアクリレート(瞬間接着剤)で接着する場合は、#707で拭くだけで良く、加熱工程は不要です。
製品の個性
スキップ#66と#55の違い
あらゆるプラスチックは分子量、分子量分布、分岐の多少、立体構造の違い等によって性質が大きく変化しますので、そういった点を変えた無数の“品種”が作られます。
加えて、用途に合せて、種類の異なる樹脂や無機質など異質の材料がブレンドされたり、着色材やいろいろな添加剤を加えられたり、経時変化したりしますので、現実の個々の製品の表面物性は千差万別です。
そういう事情により、実際は物性が互に異なる無数の素材が、例えば“ポリエチレン”といった単一の名前で一括りにされているわけです。
ところで、接着という現象は被着体の表面と接着剤が相互作用して生じるものですから、当然両者には“相性”があります。つまり、被着体の表面物性が変れば“相性”が合わなくなったり、合うようになったりします。
スキップ#66はポリオレフィン類が持つ広範な表面物性に合せてありますが、そのような理由により、ごく稀に接着出来ないものがあります。そんな時、大抵どういう訳か#55が合います。つまり両者はそういう関係にあります。
なお#66は金属や石材や木材など大抵の物にも接着しますが、#55はポリオレフィンと一部のゴム以外、大抵の物に接着しません。
(なお、万一#66も#55も合わない場合にそなえて、製品を微調整する技術は、多少は用意しております。ご相談下さい。)
加えて、用途に合せて、種類の異なる樹脂や無機質など異質の材料がブレンドされたり、着色材やいろいろな添加剤を加えられたり、経時変化したりしますので、現実の個々の製品の表面物性は千差万別です。
そういう事情により、実際は物性が互に異なる無数の素材が、例えば“ポリエチレン”といった単一の名前で一括りにされているわけです。
ところで、接着という現象は被着体の表面と接着剤が相互作用して生じるものですから、当然両者には“相性”があります。つまり、被着体の表面物性が変れば“相性”が合わなくなったり、合うようになったりします。
スキップ#66はポリオレフィン類が持つ広範な表面物性に合せてありますが、そのような理由により、ごく稀に接着出来ないものがあります。そんな時、大抵どういう訳か#55が合います。つまり両者はそういう関係にあります。
なお#66は金属や石材や木材など大抵の物にも接着しますが、#55はポリオレフィンと一部のゴム以外、大抵の物に接着しません。
(なお、万一#66も#55も合わない場合にそなえて、製品を微調整する技術は、多少は用意しております。ご相談下さい。)
SKIP606とSKIP707の違い
表面処理剤というものは被着体と接着剤の間に入って働く物ですから、被着体表面との相性がよく、かつ接着剤との相性が良い事が求められます。・・がしかし・・あらゆる相手に相性が良い物など在り得ません。
SKIP606とSKIP707はどちらもポリオレフィン用の表面処理剤ですが、接着剤との相性に違いがあります。
#606はエポキシ系の接着剤に相性が良い傾向があり、#707はウレタン系やシアノアクリレート系(一般に瞬間接着剤と言われているタイプ)に合う傾向があります。(弊社の無溶剤エポキシ接着剤であるアシスト6Eと、無溶剤ウレタン接着剤であるアシスト6Uは、#606にも#707にも合うように作ってありますが、それでも敢えてどちらかと言えば、#606には6E #707には6Uが合います。)
作業等について
選び方
上記のような作業方法や物性等、個性の違いを良く勘案し、目的に合う物を選んで下さい。
スキップ66”(ホットメルト接着剤)
スキップ606”(プライマータイプ)
スキップ#66(粘度の比較)
スキップ#606(粘度の比較)
作業方法
スキップ55と66はホットメルト接着剤ですから、塗布して乾かした後、ホットガン、トーチ、赤外ランプなどで強熱して、接着剤を融かし、熱いうちに張り合わせます。そのまま冷えれば接着します。
①スキップ#66を塗布する
②シンナーを飛ばし、加熱する(瞬時でも、120℃以上)
③熱いうちに貼り合せる
④圧着する
スキップ606は、加熱型接着プライマーです。
塗布して強熱すると、オレフィン表面に、強く固着します。(と言っても・・肉眼では何も見えません)
そしてこの部分に、適当な汎用接着剤を塗布して接着します。
塗布して強熱すると、オレフィン表面に、強く固着します。(と言っても・・肉眼では何も見えません)
そしてこの部分に、適当な汎用接着剤を塗布して接着します。
①スキップ#606をウエスにつけて表面を拭く
②シンナーが飛んだら、加熱する
(表面に固着し、適当な一般接着剤で接着できるようになる)
最終接着剤の選定について
スキップ606で処理した後は、通常の接着剤で接着しますが、先述の様に、市販の全ての接着剤が、適合する訳ではありません。
相性のいいものと、悪いものがありますので、実際の使用に先立って、必ず、その確認試験を行ってください。
#606や#707に比較的相性のいいものは、ビスフェノールA系エポキシ樹脂とポリアミド系硬化剤を組み合わせたエポキシ接着剤やポリブタジエン系ポリオールとM.D.Iを組み合わせたウレタン接着剤、クロロプレン系ゴム接着剤等です。
瞬間接着剤も、特に#707に良く合います。
相性のいいものと、悪いものがありますので、実際の使用に先立って、必ず、その確認試験を行ってください。
#606や#707に比較的相性のいいものは、ビスフェノールA系エポキシ樹脂とポリアミド系硬化剤を組み合わせたエポキシ接着剤やポリブタジエン系ポリオールとM.D.Iを組み合わせたウレタン接着剤、クロロプレン系ゴム接着剤等です。
瞬間接着剤も、特に#707に良く合います。
【写真】③#606で処理した後、弊社のエポキシ接着剤アシスト6Eで接着しているところ
(この様に#606や#707と併用する接着剤は、弊社でも幾つか製造販売しております。)
加熱の要、不要について
スキップは全て原則的に、加熱しない限り、全く効果を生じません!!
だだし、例外的に、特殊な変性をしたポリオレフィンの中には、加熱せずに接着できるものがあります。特にTPOと#707の組み合わせではそういうケースがよくあります。
また、#66の場合、塗布後、加熱しないでも、時間の経過とともに、徐々に接着強度が上がってくるケースもあります。・・がそれらはあくまで例外です。
*スキップには、塩素・硫黄・アクリルモノマーは含まれておりません。
また、#66の場合、塗布後、加熱しないでも、時間の経過とともに、徐々に接着強度が上がってくるケースもあります。・・がそれらはあくまで例外です。
*スキップには、塩素・硫黄・アクリルモノマーは含まれておりません。
実験写真
ポリエチレン製まな板での接着テスト:(テンシル)
スキップ606で加熱処理後、エポキシ系や、ウレタン系接着剤で接着した
被着体(ポリエチレン)・材料破壊
被着体(ポリエチレン)・材料破壊
テストピースに付着しているのは、材料破壊したポリエチレンの破片です
超高分子量ポリエチレンの接着テスト
スキップ66で貼り合わせた超高分子量ポリエチレン
剥離テスト
せん断接着テスト(PEの破断)